ダイアログ・イン・ザ・ダークを体験
『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』(以下:DID)に行ってきました!
以前から「行きたい行きたい」と思っていたのですが、外苑前での常設は今月末で最後とのこと。
これは行かねば!
ようやく重い腰を上げて行ってきました。
そもそもDIDって何?
お~い!グッピーDIDに行ってきたよ~!面白かった~。
良かったね!ところでDIDって何?
ダイアログ・イン・ザ・ダークは、
暗闇のソーシャルエンターテイメントです。
参加者は完全に光を遮断した空間の中へ、グループを組んで入り、
暗闇のエキスパートである視覚障がい者のアテンドにより、
中を探検し、様々なシーンを体験します。
その過程で視覚以外の様々な感覚の可能性と心地よさに気づき、
コミュニケーションの大切さ、人のあたたかさなどを思い出します。公式ホームページ:http://www.dialoginthedark.com/
その他の情報としては…
・1988年、ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケさんが発案
・世界39カ国以上で開催
・800万人以上が体験
・何千人もの視覚障がい者のアテンド、ファシリテーターを雇用
・日本では1999年11月に初開催。約19万人が体験している
だって!
へ~!たくさんの人が体験しているんだね~。面白そう!
暗闇のエキスパート(視覚障がい者)のナビゲートのもと、最大8人のメンバーで参加します。はじめは不安だったけれど、親切に案内をしてくださって心強かった!専門家の方がいてくれるなんて頼もしいね
どんなことを体験するの~?それは体験してみてのお楽しみです!ネタばれOKなのかが分らないので、具体的にどんなことをするかは省略しますが、体験してみて、以下のことがキーワードとして思い浮かびました。
・進む(真っ暗の中進みます)
・気づく(物理的にも精神的にも)
・やすらぐ(慣れるとやすらぎを感じるように)
・協力する(必須!自然と出来るようになります)
・語らう(「初対面同士でも沈黙が苦にならない」という不思議な体験でした)
体験開始!
はじめにアテンドさんから白杖の使い方を教わり、自分にあったサイズの杖を選んでいよいよ探検スタートです! いや~、中は本当に真っ暗で、はじめは不安だったよ~
アテンドさん&仲間の声を頼りに、右も左もわからないまま少しずつ進んでいきます。迷子になっちゃわないかな?声をかけあって進むから大丈夫だよ~
たまに、ハプニングが発生することがあるのですが、確認しながら進むので
安心して進んでいけます。
(私が参加した時ですが、途中で長イスに座って休憩する時に別のグループの人がいつの間にか混ざっていたというハプニングがありました。お相撲さんがいるわけでもないのに、なぜかイスに座れない人が出てしまったのです。名前で点呼してみたら、やっと気づいたという(笑)アテンドの方が気づいて迎えにきてくれていたので、なんとかなるのだ~と感心しました。)
こういった初対面の方ばかりの集まりだと、緊張してしまって話せないことが多いんだけど…
ここでは自然に声掛けができたよ~。
そうなんだね。声を使ったコミュニケーションがメインになるんだね。
初対面の方が多い場所だと、なんだか気恥しくてあんまり発言できないことが多いのですが、
DID体験中は積極的に声を掛け合うことができて、
「自分もできるんだ!」と不思議な自信がわいてきました。
仲間から声をかけてもらったり状況を教えてもらえると、本当に助かるし、ありがたいのです!そんな状況だと、自分も積極的に声をかけて情報発信していこうと自然と思えました。
だんだんと慣れてくると、アテンドさんと仲間の姿や形が見えない分、
『ただ、そこにいる。そこに在る』という不思議な感じがしてきたよ。
普段は職業も生活スタイルもバラバラのメンバーですが、真っ暗の中で一丸となって進んでいくと、
年齢、性別、職業とかそういったことは超越して
「ただ仲間がいる」
と不思議な安心感を感じました。
短い時間なのに、ビフォー/アフターっぷりがすごいね。
そうなの!途中から全然怖くなくったよ
ええっと…これは…?
巨大ギロチントラップが仕掛けられているとか、そういう危険なことはないよって伝えたかったの!
???
最初に「怖い」とか「不安」とかネガティブなことを言ってしまったので、参加しようとしている人の不安を取り除こうと思ったのよ
(ズコー)こんな絵があったら、余計心配になるよ~
危険なことは一切ないので安心して参加してください。
日常生活で視覚情報に頼っていること
ここからちょっと脱線します。
DIDに参加したことがきっかけで、考えさせられたことがありました。
日常生活において、たくさんの情報が目から入ってきます。
・道路を渡るときに車がこないか
・この先注意の標識があるから気をつけよう
・情報を得るのに文章を読む
などなど
70~80%の情報を視覚に頼っていると聞いたことがあるよ。
ええ!そんなに!でも、確かに日常生活を振り返っても、目から入る情報に頼っているのは実感できる~。
普段生活をしていると、視覚障がい者の方が歩いているのをたまに見かけます。世の中にあるほとんどの物やサービスは、目が見えることを前提に作られているので、視覚障がい者の方が、日常生活を送ること、お仕事をされることは、本当に大変だろうな..と思うのです。
語弊を招いてしまうかもしれませんが…
「視覚障害がい者=社会的にサポートが必要。弱い立場にいる」
という図式が、正直私の頭の中にはありました…。
DIDに参加して驚いたこと
しかし、ここでは立場が逆転することに驚きました。
公式ホームページでの説明のとおり視覚障がい者の方は、まさに「暗闇のエキスパート」であり、リーダーとなって導いてくれるのです。
本当にたくさんサポートしてくれてありがとう!
常設だとスケジュールが明確だから、視覚障がい者の方達にとって、安定した雇用につながるのも素晴らしいと思うな~。
視覚障がいの方の大半は『あはき業』に就かれると聞いたことがあるよ。
それ以外の仕事をしたい方もいると思うので、こういった可能性が拡がっていくといいよね~
厚生労働省の調査によると、視覚障がい者の人数は推計で約31万人。
就職先の大半はいわゆる『あはき業』(←あんま・マッサージや鍼灸)とのこと。
IT技術の発達により、最近は事務職への就職者数も増えているようです。
参考文献:
厚生労働省:平成18年身体障害児・者実態調査結果(平成18年7月1日調査)視覚障害者の就労支援|厚生労働省
始まりがあれば終わりもある
そうそう。受付スペースも心地よくて。
壁に色々な記事が貼ってあって見応えがあったよ。
スタッフの方たちが、この場所を大切にされているんだろうな~ということが伝わってきたんだよね。
いいな~。グッピーも参加したくなりました
残念だけれど、外苑前での常設は2017年8月で終わるんだって
え!?なんで?
ちょうど更新のタイミングだったんだけれど、家賃2倍になることになったんだって
ま~
交渉したけれど止むを得ず…だったそう。
予約がほぼ満席状態だったので、なぜクローズなのか不思議だったんですよね。やむを得ない事情があったのですね。
終りがあれば始まりもある
せっかく大切に創ってきた場所だろうに…
さぞかし残念だったことだと思う…。ん!?何の音?
うわ~!なんだこれ!?
ひゃ~!え!出発するの!?
お別れはさみしいけれど…
新しい場所に行くのはワクワクするね!さあ出発!
外苑前DIDのラストのテーマは【出発】です。
終りやお別れは、時に残念だったり寂しいのですが、同時に前に進むことでもあります。
今回参加して、
「これは興味がある人はぜひ体験してほしい!」と
強く思いました。
『必ず近いうちにお会いできるように全力を尽くします。』
とのことです。
別の場所で再開し、DID体験者が一人でも増えるよう陰ながら応援しています!
長くなってしまったのですが、お読みいただきありがとうございました。
noika