はじめに
プロのカウンセラーさんに相談する場合でなく、
友人や知り合いの方など、身近な方に相談をする場合を
想定した記事となります。
「相談するんじゃなかった…。」
そんな風に思ったことはありませんか?
勇気を出して相談したものの、
相談したことでかえって傷ついたり
悲しくなったことはありませんか?
傷つくまではいかなくても、
なんだかモヤモヤしたり。
苦しいから人に相談したのに関わらず、
相談する前よりもかえって苦しくなっていたりする。
心がギュッと絞られるような感じがしたり。
相談する前よりも心が重くなっていたり。
相談相手と心の距離が遠くなっているのが
手に取るようにわかって、それで余計に傷ついたことも。
悔しさやら情けなさやら悲しさやらモヤモヤで
心の中が一杯になってしまった。
私も何度もそんな経験をしたことがあります。
当時は被害者意識を持ってしまったのですが、
相談する際、気を付けないといけないことってあるな、と。
今だとわかるのですが、当時は全然わからなかったのですよね。
不必要に傷つかないように、後悔しないように
相談する際に気を付けたいことを書こうと思います。
①相談相手/場所に気を付ける(ネットの匿名掲示板は要注意!)
大分前のことです。
人間関係について悩んでいたのですが、
内容的に周りの方に相談できず。
また、当時はカウンセリングを受けることは
一般的なことではなかったので、
誰に相談して良いかわからなくて。
というわけで思いついたのが匿名掲示板。
インターネット上のとある匿名掲示板にて
”相談”してしまったのですね。
これ、後悔することになりました^^;
私の悩みに対して、約20名ほどの方がお返事を書き込んでくれました。
率直に思ってしまったこと。
「こういった色々な人がいて、
信頼関係が成り立たっていないところで
センシティブな相談をしてはいけない…。」
・共感してくれた方
・応援してくれた方
・厳しいけど親身になってアドバイスをくれた方
ほとんどの方は親身に返事をしてくれました。
と同時に
・相談内容から飛躍させた自分語りをする方
・過去の嫌なことを思い出したのか、
私に何かを投影して悪口を書いてきた方。
・上から目線で私の性格をプロファイリングをされる方
こういう方達も少数ながらいたんですね。
特に悪口には少々の恐怖を感じました。
幸い、悩んでいたものの
心の状態はそれなりに安定していたので、
ショックは受けつつも「いろんな人がいるんだな~。」と
冷静に受け取ることができました。
ですが、本当に心がしんどい状態で相談していたら…。
傷に塩を塗られたような状態になり、
しばらく落ち込んだことでしょう。
これ以降は、不特定多数の人が集まる匿名の場所で
悩みを書き込むことはやめることにしました。
正直な口コミや感想を見たい時など、
上手く使うと確かに便利なんですけどね。
軽い内容の相談の場合は大丈夫だと思いますが、
重たい内容の相談をする場合は注意が必要です。
心のことなど繊細な話題は不向きなこともある。
間違えるとダメージがでかい。
相談する相手の大切さを実感しました。
相談する相手。これが一番大事かも。
匿名掲示板は時にふさわしくない、というのはわかった。
では、仲の良い友達や知り合い、家族などは?
身近な人に相談しようかと考えることは
自然なことだと思います。
が!
話をしっかり【聞くこと】って意外と難しいのですよね。
・むやみに否定せずに傾聴する力があるか。
・深刻な話でも安心して話せる雰囲気を作れるか。
・秘密を守ってくれる。信頼できる。
さらに。聞く力を持っている方でも…
・得意/不得意分野あり。
・相談者との相性(人間だもの)。
・利害関係がある場合は応援することが難しいことも。
カウンセリングが専門職業として成り立っているのも、
それだけ話を聞くことが難しいことを表しているのだと思う次第です。
というわけで、相談相手(場所)には
気を付けたいというお話でした。
②悩みを解決したいのか?共感して話を聞いて欲しいのか?
次に、相談をする前に意識しておきたいことがあります。
この段落の見出しの通り、
なんのために相談をするのか?
これは意識しておいたほうが良いと思います。
意識しないで”相談”してしまうと、
ボタンの掛け違いが起こってしまうことがあります。
<例えばの話>
職場の人間関係に悩んでいるAさん。
友人のBさんに相談をすることにしました。
Aさん「職場の先輩のことで悩んでて。相談に乗ってくれる?」
Bさん「もちろん。どうしたの?」
Aさん「言葉がすごいきつい先輩がいて。」
Bさん「いるよねーそういう人。気にしないように流すしかないよね。」
Aさん「でも…。話しかけないといけない時、苦しくなってしまって…。」
Bさん「職場っていろんな人がいるから。返事はしてくれるのでしょ?」
Aさん「そうなんだけど、機嫌が悪いと無視されることも。」
Bさん「無視は困るよね。仕事については無視されると困るってハッキリ言っちゃえば?」
Aさん「え、そんなの出来ないよ!」
Bさん「なめられてるんだよ。ガツンと言うと、
そういう人って意外と態度変わったりするよ。」
Aさん「でも…。余計にひどくなったら…。」
Bさん「上司とか周りに味方になってくれそうな人いない?
なにもしないとこのままだよ!」
【Aさんの心の中】
まずは話を聞いて欲しいのに…。
いきなり解決策を出されても…。
Bみたいに受け流したり行動できないんだよ。
Bさんのことは尊敬しているんだけど、
相談するんじゃなかった。
余計にモヤモヤがひどくなった。
【Bさんの心の中】
気持ちはわかるけどさ、このままだと余計にひどくなっていくから。
言い返すしかないじゃん。仕事なんだし。
それが出来ないんだったら我慢するしかなくない?
相談したいって言うからアドバイスしているのに
『でも、だって』って。変わる気あるのかな?
まずは共感をして欲しいAさんに対して、
解決のために次々とアドバイスするBさん。
こういうすれ違い、経験したことありませんか?
どちらの立場も経験したことがあるよ~という方、
少なくないのでないかと思います。
信頼できる人に相談する場合でも、
いきなり相談するのでなく
ザックリで良いので【準備】しておくことが大事だと思います。
●人に相談する前に意識しておきたいこと
気持ちに寄り添って聞いて欲しい、というのは前提として、
完全にどちらかは決められないとしても、
ザックリで良いので、以下のどちらに寄っているのか
意識しておくことは大切です。
・問題を解決するためにアドバイスが欲しいのか?
・実はただ話を聞いて欲しいのか?
もし、実は話を聞いて欲しいだけだったり、
愚痴を聞いて欲しい場合であるのに関わらず、
”相談”してしまうと…
次々とアドバイスされ、ボタンの掛け違いがおこり
お互いに苦しくなってきてしまうかもしれません。
ですので、人に相談する前には、きれいにまとめようとしなくて良いので、
なぜ相談したいのかを吐き出してみる。
思いつくままに声に出してみるのも良いし、
紙にガーっと書きだしてみるのもオススメです。
そうすると、
「あれ?相談して解決したいというよりも、愚痴りたいだけだった。
話は聞いて欲しけれど、今の状態でガンガンとアドバイスをもらっても難しい。」
と気づくかもしれません。
もしくは、「厳しいこと言われてもいいので、アドバイスして欲しい。」
解決のために相談したい自分に気づくかもしれません。
●相談相手も心の準備が必要
相手にも時間の余裕と心の準備が必要です。
人の話を聞くことは意外と大変なことです。
相手の方に時間とエネルギーを使ってもらうことになります。
重たい悩みで、相談するのに時間がかかりそうな場合は
あらかじめ時間を作って欲しいことをを伝える。
たまにでしたら、いきなりの相談でも良いかもしれませんが、
突然連絡が来て、相談が延々と続くとなると…
相手も「いつ終わるんだろう?」困ってしまうかもしれません。
それが度々となると、相手を疲弊させてしまうことになります。
それが原因で疎遠になってしまったら悲しいですよね。
また、いざ相談をする場合ですが、
「話を聞いて欲しいモード」の場合は
「話をただ聞いて欲しい。」と
あらかじめ要望を伝えておきましょう。
仮にアドバイスを求める場合でも、
厳しくても良いのか。
心が少し弱っているので甘めにして欲しいのか。
辛口・甘口・中辛…。
相手に伝えておいたほうが良いかもしれないです。
また、人によって得意・不得意ジャンルってありますよね。
特に家族問題、深刻な恋愛問題など、
テーマ自体が重たかったり
人を選ぶジャンルの場合…
「話を聞くの無理!」
「なんて答えて良いか分からない!
そんな感じで、拒否されてしてしまったり
場の雰囲気が重くなってしまうことがあります。
もし、相談中に不穏な雰囲気になってきたら、
無理しないようにしましょう。
お互いのために適当に切り上げて大丈夫です。
話を聞こうとしてくれたことには感謝しつつ。
★まとめ★
①相談相手は大事!
話を聞くことって実は簡単ではない。
・むやみに否定せずに傾聴する力があるか。
・深刻な話でも安心して話せる雰囲気を作れるか。
・秘密を守ってくれる。信頼できる。
・傾聴力がある方でも得意/不得意分野あり。
・相談者との相性。
・利害関係がある場合は応援することが難しいことも。
②悩みを解決したいのか?共感して話を聞いて欲しいのか?
どちらに比重が大きそうかは意識しておく。
③時間と場所に気を付ける。
相手に準備してもらう。
話を聞いていただく=相手に時間とエネルギーを
使ってもらっていることを意識したい。
④信頼できる相手だと思って相談しても
嫌な雰囲気になってしまうことも。
相談に乗っていただいたことは感謝しつつ
静かに終わらして大丈夫。
お互いのためなので自分を責めない。
noika